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「あした吹く風」

買ってきたばかりのみんくすのCDを聴いていたら、以前書いた(短い)小説を思い出しました。
シチュエーションが少し似ているかも、って。
「全然、似てないよ!」って思われるかもしれないけれど、感性が少し似ているのかな、なんて、ちょっと嬉しくなりました。(感性も似てないよ!って言われるかもしれないけれど
本当は、ブログじゃなくて、ショートストーリーのコーナーに追加すればいいのですが、作業が面倒なので^^;、とりあえずこちらに書いときます。

タイトル「あした吹く風」。
当たり前のようにずっと続くと思っていた、穏やかで幸せだったいつもの日々に終止符が打たれる、淡々と、でも何気なく、痛みや優しさを残して流れていく日常を描いた物語です。フィクションです。

あした吹く風

 びゅうっと風が吹いたから、いつものごとくクセッ毛の私の髪はぐちゃぐちゃになった。むわっとした湿った生ぬるい風は、容赦なく私の髪を踊らせる。私はいつものショッピングモールの、おもちゃ箱のようなドラッグストアに入って、ぐるりと店内の商品をチェックしてからヘアブラシをひとつだけ買った。いつもの女子トイレの鏡の前でヘアスタイルを整えていたら、
「台風が近付いてるらしいよ。花火大会、延期だって」
「今夜あたり直撃かもね」
 居合わせた女子高生たちの会話が耳に入ってきた。
 雨が降り振り出す前に帰ろうと思いつつ、いつものように近くのフラワーショップで季節の花をひと通り眺めた。何度見ても、向日葵は切り花に似合わない。今日はなにも買わずに、いつもの通り、その隣のコーヒーショップで一休みする。香ばしいコーヒーを飲んでいたら、前の席の人がカレーを食べていた。その店はコーヒーと同じように、カレーがおいしいと評判なのだ。その匂いに鼻腔をくすぐられて、今夜はカレーを作ろうと思った。

「風が強かったから、今夜はカレーだと思ったよ」
 キッチンで料理をしていると、自称芸術家の相棒が話しかけてきた。彼は今、粘土を使った作品に取り組んでいる。入道雲をモチーフにした大作だそうだ。テーブルに置いたブラシを見て、
「また増えた。ブラシ屋さんが開けるね」
 と笑った。風が吹くたびブラシの数は増えてきた。

 私たちは向かい合ってカレーを食べた。ジャガ芋はゴロゴロしているのに人参はすりおろしてある独特の、ジャガ芋好きな私と人参嫌いの相棒の二人のためのカレー。
「おいしいね」
 と私たちは顔を見合わせて微笑んだ。外では雨と風が音をたてている。
 今夜は私と相棒の最後の晩餐だ。夢を追いかける相棒と、そろそろ堅実な現実を生きたいと思い始めた私は、見つめている方向が違うと気付いてしまった。だから明日の朝、雨と風がやむ頃、私は風が吹いた日の数だけのたくさんのブラシを鞄に詰めて、ここを出ていく。思い出を残していくのは、反則のような気がして。
 笑顔の二人を忘れたくなかったから、泣きながら笑って、私たちはいつものカレーを食べ続けた。
 明日になれば、台風は去るだろうか。去っていればいい。もう少し去らないでいてくれてもいい。
 いつかなんて信じてない。いつかなんて日はこない。でも、いつか、たぶん。いつか、きっと。私は、今日の日の風景を思い出すだろう。びゅうっと風が吹いたなら。

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アンガールズ DVDのPRイベント

ラゾーナ川崎プラザで行われた、アンガールズ単独ライブDVD「アンデルセン」のPRイベントに行って来ました

DVDを買ったら、イベント参加券がついていたのです。
前回の単独ライブDVD「チェルニー」のイベントのときには、握手会で、今回は『ポラ撮影会』。
ポラ撮影会って??
一緒に写真撮れるのかな? キンチョ~する!
と思いながらも、こんな機会は最初で最後かもしれないので(前回の握手会の時にも、同じことを思った)、参加することに。

まずはアンガールズがステージ上に現れて、トークイベント。
んー、個人的には前回の「チェルニー」のイベント(私が参加したのは渋谷のタワレコ)のほうが、まとまりがあったような。
アンガールズの問題ではなくて、集まった人たちが、タワレコの時には(会場が狭かったためか)人数は少なかったけど、みんなライブにも行ってDVDも買ったっていう人たちが大半だったと思う。
なので、質問コーナーでも、ライブに行ってDVDを買ったからこそ、っていう質問がされていたり。
ライブの裏話なども聞けて、楽しかったような記憶が……

今回は、たまたま通りかかってイベントやってるから見てます、みたいな人も多かったような印象。
でもそのおかげで、久しぶりに(例えDVD観てなくても楽しめるっていう)ショートコントが見られて、よかったです。今回のライブでは、ショートコント、なかったですもんね。

そして囲み取材後、いよいよポラ撮影会へ。

同じ順番待ちしていた方と話してたのですが、まさかステージの上で撮るとは思ってなかったですよ。
撮影用の、小さなスペースかなにかが用意されていると思っていたですよ。

順番がきて、テンパりながら、歩いていった私。
「ども、こんにちは」とか言いながら、コチコチ。(それこそ”悲愴感”漂っていたかも)
持って行った(ささやかな)プレゼントも手渡しでき、なにか会話もしたのですが、
「こんなイベントがあって**×※☆~~~」(たぶん、自分としては「一緒に写真が撮れるなんて嬉しいです」というようなことを言いたかったのでしょう)
「がんばっ××☆☆~~~」(たぶん「がんばってくださいね!」と言いたかったのでしょう)
という感じで、なにを言ったのか、言いたいことがきちんと伝わったのか、わかりません。

ひきつりながら、お二人の真ん中に立ち、撮影。
握手会の時よりも、はるかに緊張しましたよー

そして出来上がった写真。
アンガのお二人は、ニコニコ笑顔でピース。
私は……、暑いので髪の毛をアップにしていったのが裏目に出たのか、落ち武者のようなボサボサの髪型……
まさか、最初で最後になるかもしれない、こんな機会は二度とないかもしれないアンガールズとのスリーショットが、落ち武者になってしまうとは。。。。
しかも、”ハニカむ”落ち武者……落ち武者……まさかの、ハニカむ落ち武者……

でも(気持ちを切り替えて!)、一緒に写真が取れただけでも、しあわせだと思います!
握手もできたし^^

いろいろあると思うけど、アンガはアンガらしい、いい感じの、和む雰囲気を失わずに、ずっといて欲しいです
アンガールズの和みパワーに、いつもまったりさせてもらってます。感謝。

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