函館・雪と戯れ、土方さんの魂の輝きに触れる、の旅
「クマのプーさん」(A.A.ミルン著)より。
ふたりは、ながいこと、なんにもいいませんでした。
が、とうとう、コブタがいいました。
「プー、きみ、朝おきたときね、まず第一に、どんなこと、かんがえる?」
「けさのごはんは、なんにしよ? ってことだな。」と、プーがいいました。「コブタ、きみは、どんなこと?」
「ぼくはね、きょうは、どんなすばらしいことがあるかな、ってことだよ。」
プーは、かんがえぶかげにうなずきました。
「つまり、おんなじことだね。」と、プーはいいました。
さて、どうしたわけか、忙しい日々を過ごしています。
走り回っています
考えることもたくさんです。
こう落ち着かないのは、私のキャパが小さいからでしょうか。
その忙しい中、函館に行ってまいりました。
寒い季節に、敢えて北の大地に行きたい!と思ったからですが、
予約した時には、今の忙しさが全く予測できていませんでした。
函館空港に着くと、雪がちらちらと舞っていました。
「積もってる~ 滑らないように気をつけなくちゃ!」
雪はバスでJR函館駅(約20分)まで移動している間にやんだのですが、
雪道を歩き始めて意外な発見!
函館の雪、滑らないんです。
普通に歩いていても大丈夫な感じなんです。
たまたまだったのでしょうか?
都内で雪が降ると、道が滑って、歩くのに一苦労なのに。
それでも油断は禁物。
慎重に歩きながら、市電(路面電車)で、まずは五稜郭タワーに向かいました。
私、新選組が結構好きなのですが、函館といえば、土方さん(土方歳三)の最期の地。
この機会に土方さんの魂の輝きに触れてみよう、なんて思ったのです。
五稜郭タワーから函館駅に戻ってきて、バスに乗り換えて向かうは「土方・啄木浪漫館」。
函館に縁のある土方さんと石川啄木の記念館です。
ここ、よかったです。
石川啄木が好きだったという海辺にあって、中も見ごたえがありました。
農民出身ながら武士に憧れ、戦う中で次々と仲間を失い、それでも最期まで意志を貫いた人間・土方歳三に触れられたような気がしました。
早朝のフライトだったので、前の晩、一時間くらいしか眠っていなくて、ホテルにチェックイン後、ちょっとのんびりしていたら、
「このまま眠りたい~」
と思ってしまいましたが、そういうわけにはいきません。
そう、夜はライブの予定があったのです。
「いざ、出発!」
と気合を入れて、市電に乗りライブ会場のお店の最寄駅で降りると、人通りも車通りもあまりない静かな場所。
方向音痴の私は、持ってきた地図を見ながら、
「えーと、えーと、この人っ子一人いない雪の坂道を上っていくのだろうか」
と迷っていると、犬の散歩をしていた女性が通りかかり、すかさず道を尋ねることに。
「そう、この道を上って公園を抜けるんだけど、雪道で、誰もいなくて、雪明りはあるけど、大丈夫かなあ」
たぶん、不安な表情をした私を見てか、女性は続けて、
「ううん、危険ってことはないんだけど、大丈夫だと思うけど、とにかくまっすぐだから」
とても親切に教えてくださり、とりあえず雪の坂道を上って公園に入っていく。
誰もいない雪道も公園も怖くて、
「怖いよー、神様ー、ブライアーン」
と心の中で祈りながら、必死に歩いて公園を抜けたものの、店らしい明かりは見えず、誰もいないし、と思っていたら、
歩いてきたお兄さんを見つけ、再び道を尋ねると、またとってもとっても親切に教えてくださいました。
「想苑」というライブ会場のジャズ喫茶も、とってもアットホームなあたたかい雰囲気で、
「(外の)気温は低いけど、心は熱い」
って感じで、いいなって思いました。
ライブは「龍之介 北上ツアー」の、函館編。
龍之介さんのライブに行くようになってまだ日は浅いけれど、ハズレがないです。
あったかくて熱くて切なくて心を揺さぶられる。
龍之介さんご自身も楽しそうで、嬉しかったです。
音楽とトークをたっぷり堪能した後、店を出て、市電乗り場に向かって、行きは雪の上り坂だったので帰りは雪の下り坂をへっぴり腰で歩いていると、市電が駅に近づいているのが見えました。
「ま、待ってー」
という必死の願いも虚しく市電は走り去っていってしまいました。
駅に着いて時刻表を見ると、日中は頻繁にくるのに、夜だったので、次は30分後!
雪が降っていたわけではないし、見上げるとまん丸のお月様が見えたけれど、
「さ、寒いんですけど……」
待っているのは私だけで、通行人もいず、
「市電で10分なら、歩いても3、40分かも」
と適当な計算をして少し歩き始めるも、
☆雪道を歩いて行かなければならない。→早く歩けないから、思いっきり時間がかかるかも。
☆方向音痴で道がわからない。→歩道ではなく、市電(路面電車)の線路沿いに歩こうか、いや、暗闇の中でそれは危険!
と、私としては的確な判断をして、市電の駅に戻りました。
「寒いよー、神様ー、ブライアーン」
と月を見上げながら、再び祈りました。
市電がやっと来たときには、
「やったー!」
と大喜び、というより、既に感覚もなくなっていましたが、無事にホテルに戻り、安いツアーだった故か古いホテルでしたが、快適な時間を過ごしました。
初めての函館、
ラーメンもアイスクリームも海の幸丼も食べたし、
海も見たし、行きたいところにも行けたし、
ライブも最高だったし、
とぉっても、素敵な旅でした。
一泊だけでしたが、もっと長かったような気がします。
あ、函館って、メルヘンな街だなって思いました。
街並みも西洋的だし、全部ではないんですが、バスの中とか、クリスマスの装飾がしてあって、御伽の国のようでした。
The comments to this entry are closed.
Comments