小説

尊きもの(欲望と命)

アフリカの伝統楽器、コラ(KORA)のオリジナル曲のイメージで短い物語を書きました。
コラの音、美しいです♪

よろしかったら読んで聴いてみてくださいませ。

「尊きもの(欲望と命)」
http://moonvillage999.blog.fc2.com/blog-entry-75.html





「欲望と命」

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涙の行方(君は君のままでいるべきさ)

久しぶりにショートストーリーを書きました。

「涙の行方(君は君のままでいるべきさ)」

なんと、初めての試み、
日本語の楽曲のイメージで書きました。

よろしかったら読んでみてください~^^

http://moonvillage999.blog.fc2.com/blog-entry-74.html

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小説ブログ、始めます。

小説専用のブログを始めます。

「小説ブログ 月の村」
http://moonvillage999.blog.fc2.com/

今までもホームページスペースで公開していましたが、
ブログのほうが更新しやすいので。

でも、上記のブログで公開するのは短い物語だけです。
長編については、また別のスペースを考えています。

とりあえず掲載したのは、前から公開している作品ですが。
こんな感じでちょこちょこ公開していこうと思います。

よろしかったら読んでみてくださいませ。

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youtubeデビュー?

先日のブログで、「ブライアン・チャンネル」の映像配信のことを書きました。
実現間近なつもりでいたのですが、その後、中々実現の日が見えてきません

で、思い出しました。
「不言実行であるよりも有言実行であれ」
などという言葉を聞きますが、
どうも私は何かを宣言すると、それが実現しないというパターンが多いということに。

例えば、
「私は○○をします」
とか、
「私の今年の目標は××です」
と口に出したことは、何故かその後、実現しないのです。言った時には本気なのですが。
言葉にしたほうが実現するという方も多いのでしょうけれど、私の場合、言葉にすることによって、そこでパワーが発散されてしまうのではないでしょうか。
意味不明ですが。

それと同じように、何かがうまくいった場合、
「よーし、この調子でいくぞー!」
と頑張ろうとすると、何故か一人で空回りして、その後には何も続かない、というのも私のいつものパターンです。

人それぞれ、人生のパターンというかジンクスというか傾向があり、私にはこれらのパターンというかジンクスというか傾向があるので、これからは不言実行、事後報告でいきます。


さて、そんなこんなで「ブライアン・チャンネル」の実現の日は見えていませんが、とりあえず何か映像配信みたいなことがしてみたいと思い、youtubeデビューを目論みました。

アップできる動画として、以前作ったフラッシュ「みさきの小学校の守り神」を思いつきました。
フラッシュのファイル形式のままではアップロードできなかったので、ファイル変換をしたら、そのソフトのロゴが画像に自動的に表示されてしまい、何箇所か文字が隠れてしまうという事態が起こったため、youtube用に画像を修正しました。

「あ、ここも修正しなくちゃ」
「あ、ここもだ」
「あ、ここも」
と、何度も修正して、変換、保存しなおして、アップロードしてみたら、
「解像度があまりにも低くなってる……

なんと、文字が読み取れないくらい、画像がぼやけていたのです。
「ファイルサイズに問題があるのかも」
とか、
「アップロードしなおしたら、綺麗になるかも」
とか思いながら、何度もまた修正、アップロードをしなおして、
「もう無理。ぼやけたままでも仕方ないかも」
と諦めかけて、再度アップした動画を見てみると……、
何故か、解像度が高くなっていました
文字も普通に読み取れるし。

どうしたことなのか、まるでわかりませんが、とりあえず、これでyoutubeデビュー?です。

今までこのブログにはいくつものyoutube映像を貼り付けてきましたが、
まさか自分が作った動画を貼り付ける日がこようとは。

何が起こるかわからないものですね。

そんなわけで、「みさきの小学校の守り神」です。
youtubeから、どうぞ~

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夏風邪?&「それぞれの20年」

暑いです。

夏は好きな季節ですが、あまりにも暑すぎです。


お盆休みに入るので、
「ゆっくり楽しもう♪」
と、休みを満喫する気分でいたのですが、毎日暑すぎるせいか、いろいろな疲れが出たのか、
休みの前日からなんとなーく体調が悪くなり、ここ数日、37.5度~38.5度の熱と共に過ごしました。

「頭痛い~、喉も痛い~、気持ち悪い~」
という状態でしたが、休みのラストの今日、どうやら熱も下がり、体調はイマイチな感じですが、これは暑さのせいでしょう、ということで、
まあ、熱があっても出かけて楽しんだりもしたし、いいお盆休みでした。(頭もまわらないので、無理矢理まとめてみる)


これだけでは、あまりにも素っ気ないので、1000文字程度の小説です。
よろしかったら読んでみてくださいませ。
「それぞれの20年」。
パソコンは、→ コチラ から。
携帯電話は → コチラ から。


体調を崩している私が言うのもなんですが、暑い中、体調を崩されないよう、お過ごし下さいねv

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リレー小説&ブブゼラ

引き続き、ブライアン先生にリコーダーを習っていますが(笑)、
ほぼ吹けるようになった!
と思いながら、
ブライアンの音をよく聴いてみたら、自分が出している音と全然違うことに気付き、
「ブライアンって、なんて上手いんだろう……」
などと、あらためて感動しています。

同じ音でも、
どうやったら、こういうバイブレーションをかけられるの?
どうやって、あの”ぷるんッ”とした感じの音が出せるの?
と、ブライアンの素晴らしさに感心することしきり。

少し前にココで、
「Gomper」の2分20秒過ぎの音はリコーダーだったのかも!と書きましたが、自分で吹くようになってみると、あの音はリコーダー以外の何物でもないと思えます。
しかし、その2分20秒過ぎからラストにかけてのリコーダー、すごくないですか?
どうやったら、こういう音が出せるのか。
ブルブル、ブルンブルン、かすれてみたり、のびてみたり、プ、プ、プ、プ、プ、と途切れてみたり、
リコーダーなのに!!
っていうか、リコーダーすごい!!

これを聴いていたら、今ワールドカップで話題の「ブブゼラ」の音を思い出してしまいました。
ブライアンなら、ブブゼラに交じって、リコーダーで同じような音、出せるような気がします。
放送観ていたら、思いがけなく南アのサポーターに交じって、リコーダーを吹いているブライアンがいたりして



***************



さて、今回のタイトルにもした「リレー小説」。
挑戦してみました。
6人の書き手による、1つの作品です。

何故、リレー小説を思いついたかといいますと、
高校生時代に私、漫画部に所属していたんですね。
なんと、自分たちで作った部でした。
「新しい部、何か思いついたら申請してくれればOK」
みたいなことを先生に言われて、
「じゃあ、何か作ろうよ!」
と、いろいろ思いつくままに申請してみたものの、却下され、たまたま友達が漫画を描いていたので、
「それじゃ、漫画部は?」
っていうことで、申請したら許可が出て、それで部員を募集して、活動していました。
友達が漫画好きだからってことで始めたのに、私、メチャクチャハマりまして、
「漫画家になりたい!」
と思うようになりました。

月刊の部誌で連載を描いて図書室においてもらったり、
文化祭ではちょっと豪華な部誌を作って販売、またイラスト展示、その場で模写を描く、などの活動をしていました。

その文化祭の部誌を作る際に部員全員で合作をしました。
ひとつの漫画作品、原案をまず一人に考えてもらって、それをみんなで色づけていって、登場人物の一人一人を別々の人が描く。

作り上げていく過程もとっても楽しくて、出来上がった作品も結構評判良かったんですね~。
悪魔に魂を売り渡す契約をしてしまうっていう、私だけだったら絶対に思いつかないような設定だったのですが、
エピソードをつなげていく作業はおもしろくて、読んだ人たちからも「続編は?」って言われるほど、ちゃんとしたのができたのです。
ちなみに私は主人公の女の子を描いたのですが、ドロドロした内容の割には、私の絵柄がぽよよんとしていて、不思議な感じだったみたいです。

**台詞抜粋**

――死にたい理由が、あるわけじゃない。 ただ、生きていたくないだけ。

「あなた、誰?」
「わたしは悪魔。おまえの望みをかなえてあげることができる、闇からの死者」
「わたしの望みなんてないわ。さっき、自殺したばっかりなんですもの」

――みんな、どうしてあんなに一生懸命なんだろ……。
将来の夢なんて、青写真でしかないのに。人間のまわりには、黄色や紫や灰色の狂気しかないのに。どうしてバラ色の将来を想像できるのかしら。

**台詞抜粋おわり**

ドロドロしてるでしょう? そうなんですよ、ドロドロなのです。
こういうの描いちゃう高校生たち、なんなんでしょ。


話を戻します。

で、そんな合作のことを思い出して、小説でもみんなでひとつの作品を書き上げるということをしてみたら楽しいのではないかと思いついたのです。

ルールは一人1000文字程度。
最初とラストを書く人が大変そう、と思いましたが、真ん中のつなぎがおもしろそうだったので、私は3番手を担当させていただきました。

今回、リレー小説に参加してくださった皆様は、それぞれ書きなれている実力者で、全体の流れを崩さず、前からの流れを受けて次につなげていき、そしてラストは見事にしめてくださいました。

1話、2話の流れを受けて、
3話目で、「転」を狙ってみた私ですが、
「このままだと木漏れ日に吸い込まれてしまう」
「それを助けに来た(?)」
「”あの頃”のことをあまり詳しく覚えていない」
「赤いドロップを選んだのは正解」
などと、大きな”転”にはできませんでしたが、次へとつなぐ問題提起をしてみました。
続く方が、どうやってこれらを解決してくれるのかが楽しみでした。

ラストまで出来上がって、読み終えて、……拍手です。
リアルとファンタジーを融合させた物語になりました。

私自身、いい経験になったのと同時に、とてもいい勉強になりました。
ありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。

創作は基本的に”ひとり”の作業かもしれませんが、何人かで共同して作り上げていくって、あらためてとっても楽しいです。

リコーダーだって、絶対、ひとりで吹いてるより、他の演奏とあわせたほうが楽しいに決まってる~

というわけで、出来上がったリレー小説「木漏れ日を捕まえる少女」です。
↓よろしかったら、読んでみてくださいませ。↓
http://homepage3.nifty.com/moon999/relays.htm

これからも楽しく、新しい試みが実現できていったらいいな^^

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「おかしなふたり」

初めての試みです。

このブログを携帯電話から見て頂いている方もいらっしゃると思いますが、
携帯電話用のリンク先を作ってみました。

このブログが携帯電話からでも見られるのは、ココログさんの設定で自然にそうなるようになっているので、
自分で作っているわけではありません。

なので、携帯電話からも見られるページを自分で作るのは初めての試みなのです。

短い物語(1000文字程度)を創りました。
携帯電話からも、きちんと表示されるか不安……。
私の携帯電話(docomo)からは、
携帯用に変換するか、直接閲覧するか、の確認ページが出てしまいます。
どちらを選択しても、表示されることはされるのですが。
何故、一発で見られないのだろう……

よろしかったら読んでみてください。(と言いながら、他の携帯電話からも閲覧できるでしょうか?
タイトル「おかしなふたり」。
パソコンからの閲覧ページも、別に作りました。

パソコンはコチラから。
携帯電話はコチラから。

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ジャンルを越えて

「次々と 緑の葉の間に咲くツツジ 在ることでうたう生命(いのち)の力」

上記は以前、ホームページを通して知り合った方が、ネットを通して「句を詠む会」を企画してくださり、
参加したときに作った作品です。
全くセンスがない、ルールもわかってない初心者の句ですが、
「るかさんの句には艶があります」
とほめてくださいました。本当にあたたかくて、やさしい方です。
他にも、十五夜の晩に満月を見上げながらの「句を詠む会」もありました。
今は天国にいるnoriさん、
何年も経つのに、この季節になり、ツツジのつぼみが膨らんでいるのを見るたび思い出します。




さて、最近、ブライアンのことを書いていないので、そろそろブライアンがすねているような気がしますが、
まあ、そのことは後日。




少しずつ更新していた小説、本編とあとがきを無事ラストまでUP終了しました。
読んでくださっている方がいたら、ありがとうございます。
Four Seasons ~月の響きをききながら~

感想などを送って頂けたら、うれしいです。 *メール*

↓は、出版した当時、「小説のイメージで」ということで、プレゼントしてもらった手作りのオブジェです。
moon&flower


とっても嬉しかったです。今でも嬉しいです。

私はジャンルに分ける、ということがあまり好きではないので、こうしたジャンルを越えた”イメージ”で表現してもらえると、感激してしまいます。

これは、小説がオブジェに形を変えて表現されたものですが、
他にも例えば、音楽になったり、絵画になったり、詩になったり、写真になったり、映像になったり……。

ジャンルにこだわる必要なんて全くない、むしろジャンルを越えたところに新しい作品が生まれてくるのだと思っています。

私も、他の方の創り出す好きなものに、「そのイメージで」違う形で表現することがあります。
(可能な限り、お断りしてからにしています)
例えば、音楽の感動を言葉にする、
絵に描く、花をいけるetc.……。

そこから世界が広がって、新しいものが生まれてくればおもしろいのに、なんて思ったりもします。


ジャンルを越える、という考え方でいけば、小説ひとつとったって、いろいろな要素を組み込むことができます。

例えば、音楽のような小説。

単純に、文章が歌詞みたいだというのではなくて、独特のリズム感のある文章って魅力的だと思うのです。
「、」や「。」の場所だけでも、リズム感は変わってきます。

「私は嬉しい」
「私は、嬉しい」

「、」があるかないかだけでも、リズム感は変わります。

また「私」を「わたし」とするか、「ワタシ」とするかでもリズム感、音の響き、文章から広がるイメージは変わります。

改行や行間でもリズム感は変わってきます。
また改行や行間は、パッとそのページを見た時の印象も変えます。
つまり文字の羅列がビジュアル的要素を持つようになるわけで、
そういった意味では絵画的ともいえるのです。

演歌歌手だからロックは別世界、
ではなくて、演歌とロックを組み合わせたら、新しいもの、演歌ファン、ロックファンに関わらず、もっとストレートに聴衆に訴えかけるものができるかもしれない。

といっても、元の自分の表現手段を忘れてもいいのではなく、
それはしっかりと持っていなければいけないと思います。
自分の主張、そのことを通してなにを伝えたいか、その点は絶対に流されてはいけない。

それぞれの良さを活かしつつ、ジャンルを越えた表現をしていけたらいいな、と思います。

創作物を通して、いい出会いがしていけたらいいな。
そして新しい世界が広がっていけばいいな。
”ジャンル”という枠を決めて、その中でのみ表現することにこだわり、思うように出来ずに四苦八苦するのなら、
一度ジャンルという枠をはずしてみるのもいいのではないかって思うのです。

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更新報告&大道芸

更新報告。
随時更新中の小説を更新しました。
今回更新したのは「blue season~夏~(3)」。
blue seasonはここまでで、次は「red season~秋~」になり、語り手が男性になります。
私には絶対にオトコゴコロなんてわからない、
そう思いながらも、語り手が男性のパターンを書くのは結構好きです。
Four Seasons ~月の響きをききながら~

もひとつ更新。
「音たち 言葉たち」に「なによりも」を追加しました。(BGM付)




さて、何度か遭遇しているのですが、横浜の山下公園でパフォーマンスをしていて、見るたび感動してしまう大道芸人さんがいます。

先日は、もう日も暮れかけている中、歓声が聴こえて、人だかりが見えたので近づいていくと、何度か見ている大道芸人さんでした。

ものすごく一生懸命なのが伝わってきて、トークもおもしろくて、気がついたら泣きながら笑って、拍手していました。
たくさんのお客さんに囲まれながら、
「もしもお客さんがたった一人しかいなくても、やるつもりでいましたー!」
と言う大道芸人さんに、落ち込んでいた私は、何かとっても大切なものを教えてもらったような気がしました。

名前言ってたけど、なんて言ってたかな。
うーん、はっきり覚えてない……。ごめんなさい。

でも、芸が同じなので、たぶんこの大道芸人さんかな?↓
先日見たときは、黒髪だったような……。
休日の山下公園に行ける機会がある方は、ぜひご覧になってみてください。
元気、たくさんもらえます。

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「あした吹く風」

買ってきたばかりのみんくすのCDを聴いていたら、以前書いた(短い)小説を思い出しました。
シチュエーションが少し似ているかも、って。
「全然、似てないよ!」って思われるかもしれないけれど、感性が少し似ているのかな、なんて、ちょっと嬉しくなりました。(感性も似てないよ!って言われるかもしれないけれど
本当は、ブログじゃなくて、ショートストーリーのコーナーに追加すればいいのですが、作業が面倒なので^^;、とりあえずこちらに書いときます。

タイトル「あした吹く風」。
当たり前のようにずっと続くと思っていた、穏やかで幸せだったいつもの日々に終止符が打たれる、淡々と、でも何気なく、痛みや優しさを残して流れていく日常を描いた物語です。フィクションです。

あした吹く風

 びゅうっと風が吹いたから、いつものごとくクセッ毛の私の髪はぐちゃぐちゃになった。むわっとした湿った生ぬるい風は、容赦なく私の髪を踊らせる。私はいつものショッピングモールの、おもちゃ箱のようなドラッグストアに入って、ぐるりと店内の商品をチェックしてからヘアブラシをひとつだけ買った。いつもの女子トイレの鏡の前でヘアスタイルを整えていたら、
「台風が近付いてるらしいよ。花火大会、延期だって」
「今夜あたり直撃かもね」
 居合わせた女子高生たちの会話が耳に入ってきた。
 雨が降り振り出す前に帰ろうと思いつつ、いつものように近くのフラワーショップで季節の花をひと通り眺めた。何度見ても、向日葵は切り花に似合わない。今日はなにも買わずに、いつもの通り、その隣のコーヒーショップで一休みする。香ばしいコーヒーを飲んでいたら、前の席の人がカレーを食べていた。その店はコーヒーと同じように、カレーがおいしいと評判なのだ。その匂いに鼻腔をくすぐられて、今夜はカレーを作ろうと思った。

「風が強かったから、今夜はカレーだと思ったよ」
 キッチンで料理をしていると、自称芸術家の相棒が話しかけてきた。彼は今、粘土を使った作品に取り組んでいる。入道雲をモチーフにした大作だそうだ。テーブルに置いたブラシを見て、
「また増えた。ブラシ屋さんが開けるね」
 と笑った。風が吹くたびブラシの数は増えてきた。

 私たちは向かい合ってカレーを食べた。ジャガ芋はゴロゴロしているのに人参はすりおろしてある独特の、ジャガ芋好きな私と人参嫌いの相棒の二人のためのカレー。
「おいしいね」
 と私たちは顔を見合わせて微笑んだ。外では雨と風が音をたてている。
 今夜は私と相棒の最後の晩餐だ。夢を追いかける相棒と、そろそろ堅実な現実を生きたいと思い始めた私は、見つめている方向が違うと気付いてしまった。だから明日の朝、雨と風がやむ頃、私は風が吹いた日の数だけのたくさんのブラシを鞄に詰めて、ここを出ていく。思い出を残していくのは、反則のような気がして。
 笑顔の二人を忘れたくなかったから、泣きながら笑って、私たちはいつものカレーを食べ続けた。
 明日になれば、台風は去るだろうか。去っていればいい。もう少し去らないでいてくれてもいい。
 いつかなんて信じてない。いつかなんて日はこない。でも、いつか、たぶん。いつか、きっと。私は、今日の日の風景を思い出すだろう。びゅうっと風が吹いたなら。

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