以前も書きましたが、
さだまさしさんの名曲、来年には映画化もされるという「風に立つライオン」の中の歌詞、
♪やはり 僕たちの国は残念だけれど
何か大切な処で道を間違えたようですね♪
というのが、ずっとひっかかっていました。
戦後の日本は、
必死にがんばってきて、
欲しかった「平和」「自由」「豊かさ」「男女平等」を手に入れました。
なのに、現代の日本は空虚さを抱え、何かがおかしく、
このままでは自滅してしまいそうな危機感すらあります。
どうして?
日本人たちは何を間違えてしまったのだろう?
間違ってしまったのなら、現代を生きる私たちが道を正していかなければならないけれど、どうしたらいいのだろう?
どうしたらいいのかわからなくなってしまった時には、何をしたらいいのか、
と考えていて、気づきました。
「そうか! 原点回帰だ!」
では日本の原点ってなに?
更に考えていてハッとしました。
「”神の国、日本”っていうよね。日本は神の国なんだ!」
※ と、ここでお断りしておきますが、宗教を否定するつもりはありませんが、私自身は無宗教だし、変な宗教にハマってもいません。
さて、神の国、というのはどういうことでしょうか?
詳しくは、今はわかりやすく書かれた古事記なども出ているので、それをサラリとでも目を通してみるといいのかなと思いますが、
浅識ながら、すごーく簡単に説明いたしますと、
天と地の間に、イザナギとイザナミという神が現れ、
3人の神様(アマテラスオオミカミ、スサノオ、ツクヨミ)が生まれ、
皇室につながっている、というもの。
神様を信仰することを、「神道(しんとう)」といいます。
「仏教」、「キリスト教」などのように「教」ではなく「道」といいます。
ちなみに仏教は、神道の後から日本に入ってきたもの。
では、「神道」の考え方ってどういうの?
と思って、本を読んでみました。
「日本人のための神道入門」武光誠・グレイル共著、宝島社新書
神道というのは、日本人にとって、宗教とは思えないくらい、あまりにも身近なものであるそうです。
三大宗教と言われる仏教、キリスト教、イスラム教のように経典も厳しい戒律もない。
神道は一神教ではなく、八百万(やおよろず)というように、たくさんの神様が存在するという考え方です。
そして、私がピン、ときたのが、この記述。
※引用※
古代人は「自分が働くから稲が育つのだ」とは考えず、「神様が穀物を育ててくださっている」と感じていました。
人それぞれの捉え方があるでしょうが、
私は、これは忘れてはいけない感覚かなと思いました。
自分ががんばったから、うまくいったんだよ!
ではなくて、
がんばれたのは、自分の力だけではない、
と謙虚な気持ちを持つこと、
バレなければ、何やったっていいよね、
ではなくて、
神様はお見通し、悪いことしたら罰があたるよ、
って思うこと。
冒頭に書いた、「風に立つライオン」の歌詞、
♪やはり 僕たちの国は残念だけれど
何か大切な処で道を間違えたようですね♪
が投げかけているように感じた、どこでどう道を間違えたのか、
の答えも、この本の中に書かれているように思いました。
明治維新の頃、日本は見違えるほど豊かになった。しかしその一方で、
※引用※
怒涛のように入ってきた西洋の合理的な考えや便利な機械によって、日本に受け継がれていたよい伝統までもが、「無駄の多い作業」「非科学的」として切り捨てられてしまったのです。
ここでひとつ、
この本の著者は、西洋的な考え方を否定はしていません。
そして私も、西洋の文化が悪いとは思いません。
でも、本にも書かれていて、私も共感するのは、
他の文化を取り入れるのはいいけれど、
日本に受け継がれていたよい伝統を忘れてしまうことはよくない、ということ、
では、
どうしたら、忘れてはいけなかった精神を取り戻すことができるのでしょう?
それは難しいことではないと、書かれています。
古来、日本人が暮らしていく中で身につけた「自然を大切にして」「人を敬う」ということを、
あらためて意識していくことでいいそうです。
意識することで、行動が少しずつ変わってくるのかもしれません、ということです。
うーん、なるほど。
ほんの少しの間違いが少しずつ大きくなって、現代人を苦しめる事態になっているのなら、
今、できることは、
ほんの少し、意識を変えること、それが忘れてしまっていた大切なものを取り戻す力になっていくのかもしれません。
最後に、
私は神道という宗教をおススメしているわけではありません。
神道が持つ精神は日本人のルーツだと思ったので、それを少しでも知り、心がけることが必要なのではないかなと思ったのです。
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