「ザ・ビートルズ 1976ダコタ・ハウスにて」
「ザ・ビートルズ 1976ダコタ・ハウスにて」(原題:TWO OF US)を観た。
2000年製作のテレビ映画らしい。
何故、これを観たかというと、レンタルビデオ屋さんの更新期限がきていて、今更新すれば(なにかレンタルすれば)割引チケットをもらえる、ということで、いくつか観たい映画を頭に思い描きながらお店に行ったところ、お目当てのものは何も見当たらず、それでも「なにか借りなくちゃ」と思い店内を歩き回り、目に付いたこのビデオを借りたのだった。
(ふぅ、長い文章)
これはビートルズの解散から6年後の1976年、ツアー中のポール・マッカートニーが、ニューヨークのダコタ・ハウスに住むジョン・レノンを突然訪問した、という限りなく実話に近い(らしい)ドラマ。
ジョンはこの時期、主夫生活をしていた。
ビートルズにはあまり詳しくないのですが、ポール役の役者さんは、まず見た目が「似てる!」と思った。
ジョン役の役者さんは、最初見た目は「似てない」と思ったのですが、観ているうちに、「雰囲気出してるんじゃないかな」と思えてきた。
2人の素顔についてはアヤフヤな私ですが、ここで描かれている2人はとっても魅力的です。
ポールの包容力とか、ジョンのクレイジーで子供っぽくて臆病で攻撃的なところとか。
印象的だったのは、ジョンのファンに対する辛辣な態度。
ドキドキしながら、
「おジャマだとは思いますが……」
と声をかけてくるファンに「ジャマだ」と言い返す。
憧れのスターと話せた喜びもありつつ、戸惑ってしまうファンの男性(次に声をかけてくる老夫婦はもっと悲惨;)……、あれを観ると、
「迂闊に街中で見かけたスターに声をかけるべからず」
と思ってしまう^^;
ひたすら2人のやりとりを追っていく。
部屋でのやりとり、一緒に演奏をしながら語り合い、変装してセントラルパークに散歩に行き、ジョンの行きつけのカフェに行き、ダコタ・ハウスに帰ってきて屋上にあがって語り合い、部屋に帰ってきて一緒にTVを観る。
最初はぎこちなかった雰囲気が、少しずつ和んでくる。
番組内で「ビートルズ再結成」を元メンバーに向けて呼びかけているのを観て、演奏しに行こうと盛り上がる2人。(←これは実話らしい)
ポールが車からギターを持って戻ってくると、ジョンは出かけていたヨーコと電話で話している。
一緒に演奏することは実現されず、ポールはそのまま帰っていく。
屋上で語り合うシーンは特に感動的で、子供の頃からの永遠不変の友情を感じられる。
ジョンの心の傷に気付いていて、
「僕は君を傷つける気はないし、見放すつもりもないよ」
とポールは言う。
「嫌な奴でごめん」「それは僕もだよ」と言い合う2人。
大きな救いなのだと思う。
昔からの自分のことを、裏も表も知っている友達が、自分の調子が良くないときにかけてくれる励ましの言葉って。
それが、本当に、一生忘れられないような大切な言葉になったりするものなのだと思う。
ビートルズが好きな方が観ると、もっといろいろな発見があっておもしろいみたいなのですが、ビートルズに詳しくない私が観ても、おもしろい映画でした。
心の描き方がとても丁寧です。
興味がある方は、ぜひぜひご覧になってみてください。
オススメです。
追記
そういえば、ニューヨークに行った時、ダコタ・ハウスの前で写真を撮ったことがあったっけ……。(遠い目)
更に追記
マリアンヌのこともアニタのことも、ブライアンの周りにいた人たちのことは書きたいと思っているのですが、ジョン・レノンについても、後日、少しだけ書きたいと思います。
でも既に、ジョンがブライアンについて語っているのを紹介したことがありましたね。コチラ参照。
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